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昆布とかつおの一番出汁の取り方

(更新日: 2022/01/14)

この記事では、和食だしの基本である昆布と鰹の一番出汁の取り方を説明します。一般的に「一番出汁」や「二番出汁」と言えば、昆布とかつおの合わせだしを指します。一番出汁は、昆布とかつおからうま味と香りをバランスよく抽出する出汁です。そのコツは、① 昆布と鰹から雑味を出さず、② 香りが揮発しないように、湯温に気を配ることです。一番出汁は色の澄んだ香り立つ上品な出汁に仕上がりますので、お吸物や椀物など、食材の味を活かす薄味の料理に向いています。一方、味噌汁や煮物などの濃い味付けの料理では、一番出汁の色と味がかき消されてしまいます。このような料理には、しっかりとした味の二番出汁または1.5番出汁(後述)を使いましょう。

材料 (約900ccの一番出汁がとれます)
1リットル
昆布5g(利尻昆布または真昆布がオススメです)
かつお薄削り25g
おすすめのかつお削りと昆布

鹿児島県枕崎産と静岡県焼津産のかつお節を0.08mmの薄さに削っています。サッと煮出せば香りの良いおだし、しっかり煮出せばコクのあるおだしを取ることができます。

香りが良く澄んだ出汁が取れる利尻昆布は、主張が少なくかつおとの合わせ出汁に向いています。

出汁の取り方

昆布を使用するサイズに切り、表面のホコリや汚れを落とします
昆布の切れ端から、雑味のもととなるアルギン酸(ぬめり)が溶け出すため、あまり細かくなりすぎないように切ることがポイントです。表面に白い物質が付いていることがありますが、これは塩分とマンニット(旨味のもと)のため、落としすぎないようにしましょう。

鍋に水1リットルと昆布を入れて、浸け置きます
浸透圧で昆布の細胞壁が破壊され、うまみ成分が出やすい状態になります。水温が低いほど長時間水に浸けた方がよいです。夏場であれば30分、冬場であれば90分くらいを目安にしましょう。

弱火から中火弱でゆっくり煮出します

昆布の周りからプツプツと泡が出てきたら、昆布を取り出します
高温で煮出すと昆布から雑味のもとが出てきてしまうため、昆布を煮出す理想の温度は60℃です。昆布から気泡が出てくる温度が60℃ですので目安にしましょう。ご家庭では難しいかもしれませんが、プロは60℃の状態で1時間ほど煮出し、昆布からうま味成分を絞り出します。

火力を強めます。鍋底からプツプツと気泡が立ち始めたら、かつお削りを入れ、すぐに火を止めます
カツオを85℃以上で煮出すと、タンパク質などが溶け出し、出汁が濁るだけでなく雑味が出てきます。鍋底から気泡が出てくる温度が約85℃ですので、これを目安にしてください。

そのまま2分ほど置きます
かつおが沈むまで少し時間がかかるかもしれませんが、菜箸等でかき混ぜると雑味が出てきてしまいますので、自然に沈むのを待ってください。

ザルにキッチンペーパーを敷き、こします
キッチンペーパーを絞ると雑味が出てしまうため、時間を掛けてゆっくりとこしてください。

一番出汁の完成です
透き通った色の出汁が取れます。昆布とかつおの出し殻は二番出汁に使いますので、捨てないようにしてください。

一番出汁を取ったら、次は二番出汁です。昆布とかつおの出し殻が水分を含んでいると思いますが、絞らずにそのまま二番出汁の鍋に移してください。すぐに二番出汁を取らないのでしたら、出し殻をラップに包んで冷凍しましょう。冷凍庫で2週間ほど保存できますよ。

冒頭にも書きましたが、一般的に一番出汁と呼ばれるのは、昆布とかつお削りの合わせだしのことです。ですが、他のだし素材の煮干しや昆布でも、最初に取った出汁は一番出汁です。二回目の出汁を取らない場合を除いて、一番出汁・二番出汁という出汁の取り方は、どの素材にも当てはまるということですね。

一番出汁の保存方法

一度に使い切れない出汁は、冷蔵で3~4日ほど保存できます。また、冷凍すれば4週間ほど保存できますので、小分けにして保存してもいいですね。

最後に

一番出汁の取り方はいかがでしたか?湯の温度を気にしながら出汁を取るのは難しいと感じられるかもしれません。ですが、ぜひ一度は「昆布とかつお削りの合わせだし」を取ってみてください。この出汁は、和食の王道出汁です。一番出汁を飲んでいただけたら、なぜこの出汁が和食を支えてきたのか納得していただけると思います。きっと出汁取り名人になった気分を味わえますよ。

一番出汁と二番出汁を取り分けずに、一度に出汁を取りたい方には「かつおと昆布の万能出汁(1.5番出汁)の取り方」をオススメします。味噌汁や煮物などの料理全般に使っていただけますので、ぜひ参考になさってくださいね。

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