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あご煮干しの出汁の取り方

(更新日: 2022/4/15)

この記事では、あご煮干しの出汁(だし)の取り方を紹介します。「あご」とは「飛び魚(とびうお)」のことです。なぜ「あご」と呼ばれるようになったのかは諸説ありますが、一説では「あごが落ちてしまうくらい美味しい」ことから名づけられたと言われています。近年では全国的に知られてきた「あご出汁」ですが、九州地方では古くからお正月のお雑煮だしの定番として愛されてきました。煮出し・水出しともに、出汁はすっきりと淡い琥珀色で、貝のような甘みのある上品な味です。薄味のお吸物仕立ての汁物や麺つゆなど、あごダシの風味を活かせる料理にオススメします。煮出した出汁は水出しに比べてコクがありますので、味噌汁にしても美味しいです。

材料
あご煮干し30g
1リットル
オススメのあご煮干し

アゴとは飛び魚(トビウオ)のことです。回遊魚のトビウオは北上しながら成長するため、千葉沖に達する頃には大きなサイズになっています。これは種子島沖で漁獲された回遊はじめのトビウオですので、小さく締まった身にうま味が凝縮されています。甘みのある独特なうま味の出汁が取れます。

事前準備 (煮出し法・水出し法ともに同様です)

あご煮干しを丸ごと2片に折ります
あごは、煮干しに加工された時点で内臓が取れているものがほとんどで、苦みが少ない煮干しです。また、白身魚で脂肪分が少なく魚臭が出にくいため、頭を取り除かずに丸ごと使います。
※ とがった胸ヒレが手に刺さりやすいため、気をつけてください

出汁の取り方(煮出し法)

鍋に水1リットルとあご煮干し30gを入れ、1時間ほど置きます
半日(8時間)ほど浸け置くと、ダシがより抽出されやすくなります。

鍋を中火に掛けます

沸騰したら、白い泡のようなアクを取り除き、弱火にします
アクを取ることで、すっきりとした出汁に仕上がります。

弱火で20分ほど煮出し、火を止めます
煮立てすぎると、出汁が濁り、魚臭が出てきてしまいますので、お気をつけください。

ザルでこします
出汁に粉が残りますので、気になる方はキッチンペーパーを敷いてこしてください。

あご煮干し出汁の出来上がりです
澄んだ淡い琥珀色の、濃厚なうま味のある出汁です。

出汁の取り方(水出し法)

ポットやボウルなどに水1リットルとあご煮干し30gを入れ,冷蔵庫で8時間浸け置きます
あごは脂肪分が少なく酸化しにくいのですが、気になる方はラップをかけると安心です。

8時間浸け置くと、淡い琥珀色の出汁が抽出されます

ザルでこします
出汁にあごの粉が残りますので、気になる方はキッチンペーパーを敷いてこしてください。

あご煮干しの水出汁の出来上がりです
透明感のある淡い琥珀色ですが、うま味の深い出汁です。

あご煮干し出汁の保存方法

一度に使い切れない出汁は、冷蔵庫で3~4日保存できます。また、冷凍庫で4週間保存できますので、小分けにして保存してもいいですね。

あご煮干しの出し殻の利用方法

飛び魚(トビウオ)は、胸ヒレや尾の骨がとがっているため、出し殻を丸ごと食べることは危険です。ペットのおやつにすることも避けて下さい。召し上がる場合は、身だけを取り除いて、汁物の具にしたり酢の物に和えたりすると良いです。骨や頭などの出し殻は、家庭菜園やプランターの肥料にすることをオススメします。ダシガラに含まれているアミノ酸が、野菜を甘く、花を色鮮やかにしますよ。

最後に

「トビウオ」は、その名の通り「飛ぶ魚」です。海中で助走をつけ、海上を飛ぶ時には時速70kmの速さにまでなります。飛行距離は通常100m~200mですが、300m~400m飛ぶ時もあるというのですから驚きです。脂肪分が少なく身が引き締まった肉質は、この飛行によるものです。空中を飛ぶために内臓が小さく低脂質で高たんぱくな身体を持つトビウオだからこそ、苦みのない深いうま味の出汁が取れるのですね。

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