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太刀魚煮干しの出汁の取り方

(更新日: 2021/11/12)

この記事では太刀魚(たちうお)煮干しの出汁の取り方(水出し法・煮出し法)を紹介します。
太刀魚の煮干しはとても珍しい出汁です。いったいどのような味がするのでしょうか。
水出し法と煮出し法とでは出汁の見た目や風味が変わってきますので、その違いについても解説していきます。

タチウオとは?

タチウオは、その形や銀色に輝く身体が刀剣の太刀に似ていることから「太刀魚」と表記されます。また、頭を上にして立ち泳ぎしながら獲物を捉える姿から「立魚」と表記されることもあります。

細長い身体は体長1.5m以上にまで成長します。
年間を通してほぼ日本全国の海で水揚げされますが、主産地は、広島県・長崎県・兵庫県・愛媛県・大分県などです。

タチウオの旬は8~9月頃です。この時期のタチウオは脂がのっていて美味しいと言われています。
塩焼きや煮付けなどで食べたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

タチウオの表面は銀白色に光っていますが、これはウロコではなく、グアニンという色素物質です。昔はピカピカ光るグアニンが人工真珠や銀箔紙の材料に使われていたそうです。

 

タチウオの出汁と利用方法

煮出し法で取った太刀魚煮干し出汁は、白身魚の上品さとコクを合わせ持ち、うま味のしっかりした味わいです。
味噌汁・お吸い物・そうめん・ラーメンなどの麺つゆにご利用ください。

水出し法で取った太刀魚煮干し出汁は、澄んだ色合いですが、しっかりした味わいです。
煮出し法に比べて魚出汁の風味が強いので、味噌汁・うどんやラーメンの麺つゆなどにお使い下さい。

煮出し法で取った出汁は、コクがありますが、やや黄みを帯びて白濁しています。
すっきりした色合いの出汁を取りたい時には、水出し法をオススメします。

タチウオの栄養成分

太刀魚は次のような栄養分を含んでいますので、さまざまな効用が期待されています。
出汁を取ったあとに残る「出し殻(だしがら)」も召し上がっていただけますので、栄養を余すことなく摂取してください。

EPA血液をサラサラにして、動脈硬化や高血圧を予防する
DHA脳の働きを活性化させて、成人病の予防する
カルシウム骨の強化や骨粗しょう症を予防する
ビタミンDカルシウムの吸収を促す
ナイアシン血行を良くし肌を健康に保つ

タチウオの出汁の取り方

太刀魚25g
1リットル

オススメの太刀魚煮干し

広島県産の太刀魚の煮干しです。太刀魚煮干しの出汁は淡い色合いですが、コクがあり旨味が濃厚です。味噌汁やラーメンのスープなどにお使いください。
出汁を取り終えたあとの出し殻は素揚げにしてお召し上がり下さい。小ぶりな太刀魚を煮干しにしていますので、骨っぽさや苦味など気にならずまるごと召し上がっていただけます。

水出し法

太刀魚を鍋に入る大きさ(2~3片)に折ります
浸け置く容器に合わせて折ってください

鍋に、水1リットルと太刀魚煮干し25gを入れます

そのまま冷蔵庫で8時間ほど浸け置きます
鍋には蓋やラップを掛けてください。蓋付きのポットでも作れます。

8時間浸け置いた太刀魚をこします
太刀魚を折っているので、細かな粉が沈んでいる場合があります。気になる方はキッチンペーパーを敷いてこしてください。

完成です
淡い色合いの澄んだ出汁です。

煮出し法

太刀魚を鍋に入る大きさ(2~3片)に折ります
煮出す鍋に入るように折ってください。

鍋に水1リットルと太刀魚煮干しを入れます

そのまま20分ほど浸け置きます
時間がある時には半日ほど浸け置くと、出汁が抽出されやすくなります。夏場は冷蔵庫に入れてください。

鍋を中火に掛けます
半日ほど浸け置くと、煮出す前から淡く白い出汁が取れています。

沸騰したら弱火にし、20分ほど煮出します
アクが出てきます。アクを取り除くと、すっきりした味わいになります。アクを残すとコクのある味わいになります。

出汁をこします
煮干しの細かな粉やグアニンが気になる方は、ペーパーを敷いてこしてください。

太刀魚の煮干し出汁の完成です
少し白く濁りのある出汁です。

太刀魚出汁の保存方法

タチウオの出汁は、冷蔵庫で3~4日ほど、冷凍庫で2週間ほど保存できます。使い切れない出汁や多めに取り置いた出汁は、早めに冷蔵・冷凍保存することをオススメします。

太刀魚煮干しのダシガラの活用方法

タチウオにはDHA・EPA・カルシウム・ビタミンDなどの栄養が豊富に含まれています。ダシガラにも栄養が残っていますので、ぜひご活用ください。
ワンちゃんネコちゃんのおやつにも、家庭菜園や花壇の肥料としてもお使いいただけますよ。

ここでは、「まいにち、おだし。」で紹介している太刀魚のダシガラのレシピをご紹介します。

太刀魚煮干しのダシガラのポリポリ素揚げ

この記事では太刀魚煮干しのダシガラを素揚げにするレシピを紹介します。薄い煮干しですので、揚げ時間も1~2分程度。出汁を取ったついでに短時間でもう一品を増やすことができます。カルシウムやビタミンDが豊富ですので、ビールのおつまみや育ち盛りのお子さまにもオススメです。
コメントなし

太刀魚煮干しのダシガラのすり身揚げ

このレシピでは、太刀魚煮干しのダシガラのすり身揚げを紹介します。太刀魚にはウロコがないため、そのまま丸ごとすり身にできます。すり身の臭みを梅干しと生姜で取り、大葉や焼海苔で包んで香り豊かに仕上げています。
コメントなし

最後に

島国日本では、津々浦々で多様な魚が水揚げされ、煮干しに加工されます。太刀魚もそのひとつですが、煮干しになっていることに驚かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。白身魚の上品な味わいはそのままで、しっかりコクがある出汁ですので、ぜひお試しください。

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