ワンポイントレッスン 2018.10.20 追い鰹・差し鰹とは(料理のテクニック) この記事では、「追い鰹(おいがつお)」について説明します。追い鰹とは、かつお出汁で煮込む料理(煮物など)の最後に改めてかつお節を入れることで、料理に香りとうま味を加えるテクニックです。また、追い鰹は、かつお節を差し入れる行為ですので「差し鰹(さしがつお)」とも呼ばれます。なぜ、調理の最後に追い鰹をする必要があるのでしょうか?それは、調理方法によってはその過程でかつお出汁の香りとうま味が薄れてしまうためです。もちろん、すべての料理で追い鰹をする必要はありませんので、追い鰹をした方が良いケースを3つほど紹介します。 1. 二番出汁をとるとき 2. 煮物や麺つゆなどの料理で長時間煮込むとき 3. 料理の風味が足りないとき 1. 二番出汁をとるとき 一番出汁で出汁を取っているため、かつお削りと昆布の出し殻で取る二番出汁では、十分なかつおの香りとうま味を抽出できません。また、かつお削りは加熱すると香りが揮発してしまうため、煮出して取る二番出汁では、香りが落ちてしまいます。そのため、調理の最後にかつお削りを足す「追い鰹」をすることでかつおの香りとうま味を補います。詳しくは、「昆布とかつおの二番出汁の取り方」を参考にしてください。 2. 煮物や麺つゆなど長時間煮込むとき じっくり時間をかけ調理する煮物や麺つゆ料理などでは、煮込んでいる間にかつお出汁の香りが揮発して落ちていきます。そのため、具材を十分に煮込んだところで「追い鰹」をし、香りを補います。 追い鰹の方法 1. かつお削りを挟み込んだキッチンペーパーを用意します。 2. 具材を十分に煮込みましたら、火を止め、用意したキッチンペーパーをのせます。 3. そのまま2分ほどおき、取り出します。 煮汁にかつお削りが入るのを防げますし、落し蓋の役目にもなり味が染み込みやすくなります。気にならないのでしたら、キッチンペーパーを使用せずに、かつお削りをそのままいれていただいてもかまいません。 ワンポイントアドバイス 追い鰹をする時間がないという方は、粉末だしを活用されてはいかがでしょうか?粉末だしとはかつおやまぐろ、昆布などの出汁素材を粉末状に加工したものです。二番出汁や煮込み料理の最後に入れていただくことで風味(うま味と香り)を足すことができます。粉末は削りと比べると香りが弱いですが、少量でも風味が出やすいですし、栄養の豊富な出汁素材を丸ごと食せるのでおすすめです。 かつお粉 まぐろ粉 昆布粉 3. 料理の風味が足りないとき また、出来上がった料理に物足りなさを感じたときは、粉末出汁を足すことで料理の風味が増します。食卓に粉末出汁を常備しておきますと、手軽に料理にふりかけて使えて便利ですよ。 味噌汁 焼きそば おでん 最後に 追い鰹についていかがでしたか?出汁も料理もかつおの風味が足されることで、味を濃く感じるため、調味料での味付けを控えめにすることができます。減塩にもつながりますので、ぜひ一度お試しいただき、風味の違いをお楽しみください。 おすすめ記事 かつお節の種類と選び方 投稿: 2018年6月8日 かつお節にはその削り方によって、薄削り・厚削り・血合い抜き削りなどの種類があります。どれも同じ「かつお節」ですが、削り方によって取れる出汁が異なりますので、適した料理も異なってきます。それぞれの削り節を用途ごとにご説明しますので、料理に合わせて適切な削り節を選べるようになりましょう コメントなし ワンポイントレッスンQ&A, かつお節, かつお粉, かつお薄削り, まぐろ粉, 削り節, 昆布粉