1. HOME
  2. ブログ
  3. うま味と旨味の違い

うま味と旨味の違い

「うま味」と「旨味」、その違いを意識されたことはありますか?どちらも読みは「うまみ」ですが、旨味がおいしいという感覚であるのに対して、うま味は基本味(味覚)の一つを指しますので、これらは似て非なるものです。この2つの「うまみ」ですが、混同されて使用されることが多いので、今回はこの2つの違いについて詳しく解説します。

旨味とは

2018年1月に改定された広辞苑によれば、

“うまい味。また、その程度。”(岩波書店 広辞苑 第七版)

と定義されています。英語にすれば ”delicious””yummy” に該当する感覚です。つまり、私たちが普段の生活で使用する「美味しい!」はすべて「旨味」のことだと言っていいでしょう。

「旨味」は料理の味だけで決まると思われがちですが、料理の見た目・香り・温度、さらにはその場の雰囲気などによって総合的に決まります

うま味とは

一方、広辞苑によればうま味は

“味覚の一つ。その刺激となる成分はグルタミン酸ナトリウム・イノシン酸ナトリウム・グアニル酸ナトリウムの類。”(岩波書店 広辞苑 第七版)

と定義されています。ヒトは塩味・甘味・酸味・苦味・うま味の5種類の味覚を感じることができ、「うま味」はその味覚の一つです。「うま味」は肉や野菜などのタンパク質を含む物質に多く含まれる傾向があり、野菜類に多く含まれるグルタミン酸ナトリウム、肉や魚に含まれるイノシン酸ナトリウム、干ししいたけに含まれるグアニル酸ナトリウムなどのうま味成分がこれに該当します。

<表: 「うま味」以外の味覚>

塩味

甘味

酸味

苦味

うま味は1908年に東京帝国大学(現 東京大学)の池田菊苗博士が発見しました。それまで味覚は塩味・甘味・酸味・苦味の4種類だけだと考えられていましたが、池田博士は鰹節や昆布やトマトにはその4種類の味覚のどれにも分類できない「うまいと感じる」味覚があると考え研究を重ね、昆布からうま味成分の一つであるグルタミン酸ナトリウムの抽出に成功しました。

日本人が発見しましたので、うま味は英語でも”umami”と表記されます。また、複数のうま味成分を組み合わせると、相乗効果が働くことが後の研究で明らかになりました。これは料理に活用できるテクニックですので、詳しくは”うま味の相乗効果で料理をおいしくするテクニック!”をご覧ください。

まとめ

「うま味」と「旨味」の違いについて理解できましたか?「旨味」は「おいしい!」という味や香りや雰囲気などが合わさった総合的な感覚を指しますが、「うま味」は「美味しい!」を構成する味覚の一つを指しています。「まいにち、おだし。」では「うま味」と「旨味」を使い分けています。ぜひ、意識して記事を読んでみてくださいね。

関連記事