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忙しい人のための水出し法(時短テクニック)

(更新日: 2022/07/16)

「水出し」という出汁の取り方を知っていますか?かつお節などのだし素材を、水に浸けて出汁を取る方法です。手順はとても簡単で、だし素材と水をポットに入れて冷蔵庫で浸け置くだけ。忙しい人や子育て中のママにもオススメの手軽な出汁の取り方(時短)です。ここでは、かつお削り、昆布、煮干し、干ししいたけの出汁の取り方を説明します。水出しで取った出汁は、雑味がなく香りが立つスッキリとした味わいで、みそ汁、吸物、煮物など、料理全般に使えます。一方、濃い味付けの料理には向きませんので、しっかりした味付けの料理には「煮出し」をオススメします。

 

目次
1. 水出しの魅力
2. 出汁の取り方(単体)
   2.1. かつお削り
   2.2. 昆布
   2.3. 煮干し(かたくちいわし・真いわし・うるめいわし)
2.4. 干ししいたけ
3. まとめ

 

1. 水出しの魅力

水出しは、澄んだ色で香り良い、雑味の少ないすっきりとした出汁が取れます。吸物やお浸し、和え物、スープなど、うす味の料理でご利用いただけば、より出汁の香りが引き立ちます。手順はとてもカンタンで、だし素材と水をポットに入れ冷蔵庫で8時間ほど浸け置くだけです。煮出しとは異なり、水出しは時間を掛けてじっくりとうま味を抽出します。また、煮出しと異なり雑味が出にくいので、すっきりした味わいになります。「煮干し出汁は魚臭くて苦手」という方でも、水出しで取れる出汁の風味に驚くほどです。

◆ 忙しい人や子育て中のママにも簡単

水出しの一番の利点はカンタンなことです。ポットにだし素材と水を入れて冷蔵庫で8時間ほど浸け置くだけ、と手順もシンプルです。「ちゃんと出汁を取って調理したい。でも、時間がない。」という方に日常的に使っていただけます。

◆ 作り置いて、サッと調理したい人に

水出しで取った出汁を冷蔵庫で保存しておくと、必要な時にサッと取り出して使えます。夕食後に作り置けば、翌日の朝食や昼食に利用できますし、出勤前に作り置けば、夕食の準備に使えます。ポットにだし素材と水を入れる手間は、ほんの1分ほど。使い切ったら次の調理のために作り置くと、料理のあらゆる場面で出汁を活用できます。

◆ 効能いっぱいの出汁を飲みたい人に

水出しで取った出汁は、香り良くすっきりとした味わいですので、健康飲料にも向いています。ポットに入れて、お水代わりに飲んでいる女優さんもいらっしゃいますよ。ご参考までに出汁を飲むことで得られる効能の一部をご紹介します。

かつお節ダイエット・美肌効果(ヒスチジンはじめ多くのアミノ酸)
疲労回復効果(ペプチド)など
昆布整腸作用(水溶性食物繊維)、
血圧やコレステロール値の降下作用(水溶性アルギン酸)など
煮干し血流改善、動脈硬化防止、脳を活性化。生活習慣病予防
(DHAドコサヘキサエン酸、EPAエイコサペンタエン酸)など

昆布にもかつお節にもリラックス効果があるので、疲れたと感じる時に飲むのもいいですね。

2. 出汁の取り方(単体)

かつお削り、昆布、煮干し、干ししいたけをそれぞれ単体で取る水出しの方法をご説明します。

2.1. かつお出汁

・水1リットル
・かつお薄削り 30g

ポットに水1リットルとかつお削りを入れます
ポットは密閉できるものであれば、どのような形状でも構いません。紅茶やお茶のポットのようにフィルタが付いていれば、そのまま料理に注いで使えるので便利ですよ。

ポットを冷蔵庫に入れ8時間以上置きます
夜浸けて朝食で使う、あるいは朝浸けて夕食で使うと出汁を生活に取り入れやすくなります。

ザルなどでこして、完成です
8時間ほど置くと、出汁が色づいてきます。ザルなどでこして使いやすい形で保存しましょう。冷蔵保存で3日ほど保ちますよ。

2.2. 昆布出汁

・水1リットル
・昆布 30g

昆布を使用するサイズに切り、表面のホコリや汚れを落とします。
※ 昆布の切れ端から、雑味のもととなるアルギン酸(ぬめり)が溶け出すため、あまり細かくなりすぎないように切るのがポイントです。表面に白い物質がついていることがありますが、これは塩分とマンニット(旨味のもと)のため、落としすぎないようにしましょう。

ポットに水と昆布を入れ、冷蔵庫で8時間ほど置きます。
一晩浸けるイメージで良いです。12時間を超えると昆布からぬめりが出て、出汁が濁ってしまいますので、気をつけてください。

昆布を取り出したら完成です。
昆布を取り出して、使いやすい形で冷蔵保存してください。かつお出汁と同じように昆布出汁も冷蔵庫で3日ほど保存できます。しかし、かつお出汁と比べて、昆布水は塩分濃度的にも細菌が繁殖しやすい条件が揃っていますので、飲用の場合はできるだけ早く飲みましょう。

2.3. 煮干し出汁

ここでは、一般的なイワシ煮干しの片口いわし、真いわし(平子いわし)、うるめいわしの水出しの取り方を説明します。あご、鯛、アジも同様に出汁を取っていただけます。

・水1リットル
・煮干し 30g(頭部と腹わたを取り除いたもの)

煮干しの頭部を取ります
主な理由は頭部にあるエラを取り除くためです。エラは呼吸に使われますので汚れているだけでなく、血液を含んでいるため臭みのもとになります。

煮干しを半分に割り、腹わたを取り除きます
腹わたを残したまま出汁を取ってしまうと、苦味と魚臭さが出てしまいます。

フライパンで34分ほど乾煎りします
炙った香ばしいかおりが立ち、魚臭さが軽減されます開封したら全部の煮干しをここまで下処理し、粗熱を取ってから冷凍庫で保存すれば、酸化による劣化を軽減できますし、出汁が取りたい時にすぐ使えます

粗熱を取ったら、蓋付きのポットに煮干しと水を入れます。
蓋付きのポットが便利ですが、別のものでも代用できます。例えば、写真ではボウルを使用しています。また、鍋で煮干しを乾煎りした後に、その鍋に水を入れて水出すこともできます。

冷蔵庫で一晩保存します
ボウルなどで作り置く時はラップを掛けてください。ラップをするのは煮干の酸化を防ぐためです。

ザルでこして完成です。
冷蔵庫で保存すると出汁が少し色づいてきます。ザルなどでこして使用しやすい形で保存してください。煮干し出汁も冷蔵保存で3日ほど保ちます。

小ぶりの煮干しは内臓が少ないので、丸ごと出汁を取っても苦みがあまり出ません。

2.4. 干ししいたけ出汁

干ししいたけは、常温で戻すよりも低音でじっくりと戻す方がうま味成分のグアニル酸が多く抽出されることが科学的に実証されています。ここでは、うま味を十分に引き出す「24時間戻し」の方法を紹介します。

・水500cc
・干ししいたけ 3~4(直径5cm程度のもの)

干ししいたけの汚れを洗って落とします
いしづきや傘の裏のひだのところに、ほこりや小さな木片などが付いていることがありますので、水できれいに洗い流します。

蓋付きの容器に干し椎茸を入れ、水を注ぎます。
写真ではプラスチック容器を使用していますが、ポットのようなものをご使用いただいても構いません。

じっかりと蓋をして、冷蔵庫で12~24時間ほど置きます。
乾燥しているしいたけは水に浮きやすいですが、写真のように蓋で押さえつければしっかりと水に浸せます。

ザルでこして完成です。
冷蔵庫で24時間ほど置くと、かなり色づいてきます。これは旨味成分のグアニル酸が抽出された証です。ザルなどでこしてご使用ください。干し椎茸出汁も冷蔵庫で3日ほど保存できます。

水出しにオススメのダシ

3. まとめ

水出しは、とても簡単な出汁の取り方です。使い終わったら次の料理のために水出しを仕込めば、出汁を使って料理をすることが日常になります。出汁のある食生活を心がけることで、食卓に並ぶ料理に自信と安心感が持てますし、健康な身体づくりにもつながります。「わたしのライフスタイルには水出しが合っている」と思われた方は、ぜひお試しください。

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