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大空を泳ぐ「かつおのぼり」

5月5日のこどもの日が近くなると、日本各地で『こいのぼり』が見られます。

ところが、鰹節で有名な鹿児島県枕崎市や宗田節で有名な高知県で空を泳いでいるのは、青い縞模様にピンと張った尾びれと背びれのついた魚…『かつおのぼり』の群れです。

かつおのぼりのはじまり

『かつおのぼり』は1981年に枕崎市の「明日の枕崎市を考える会」が地域活性化のために考案し、1983年に掲揚されました。これが高知県や台湾などに広がっていきました。かつおは回遊魚であり、この時期に日本列島を北に移動するため「のぼり鰹」と呼ばれます。温かい南の海から移動してきていますので、脂肪分が少なく、かつお節に最適だと言われています。

一方で、8月から9月頃に冷たい北の海から南下してくる鰹は「戻りがつお」と呼ばれています。脂がのっていてお刺身にすると美味しいです。

かつおのぼりに込められた想い

『こいのぼり』は鯉が登って龍になる「登竜門(とうりゅうもん)」という伝説に由来し、子どもが立派に成長・出世するように願って飾られます。
『かつおのぼり』も同じように、縁起物の「かつおぶし」を「勝男武士」と表記することもあることから、子どもに強くたくましく成長してほしいという想いが込められています。

色々なのぼり

他にも青森県大間では『マグロのぼり』、岡山県では『サワラのぼり』のように各地の特産品がのぼりになっています。他にも『うなぎのぼり』や『あゆのぼり』もあります。

最後に

『かつおのぼり』は地域活性化のため鹿児島県枕崎市からはじまりました。今では鹿児島県だけでなく、高知県・沖縄県・和歌山県などのかつおの産地でも見られます。
ぜひ5月のご旅行の際には大空を泳ぐ『かつおのぼり』を探してみてください。

参考資料: カツオ学入門(築波書房)

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