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昆布の種類と選び方

(更新日: 2022/07/08)

お店で昆布売場に行くと、同じような色と形の昆布がずらーっと並んでいて、どれを選べばいいのか分かりませんよね。
どれも見た目は同じですが、出汁に適した昆布、食用に適した昆布など用途が異なっています。
なかには飲料用の昆布もあります。この記事では、昆布の種類を用途ごとにご紹介し、さらに昆布の品質を見分けるコツをお伝えします。

 目次
 1.用途で昆布を選ぶ

  ・出汁を取る(羅臼昆布、真昆布、利尻昆布、日高昆布)
  ・昆布を食べる(日高昆布、棹前昆布)
  ・昆布水を飲む(がごめ昆布、根昆布)
 2.品質を見極める
3.まとめ

 

1.用途で昆布を選ぶ

全て同じように見える昆布ですが、大きく出汁用食用飲用に分かれます。まずは用途で昆布を選んでみましょう。

昆布だけでだしを取る

出汁を取る昆布も大きく2種類に分かれます。一つは昆布だけで出汁を取るのに適した昆布、もう一つはかつおや煮干しとの合わせだしに適した昆布です。
昆布だけで出汁を取りたい方には濃厚な出汁の取れる羅臼昆布がオススメです。

羅臼昆布

とても濃厚な昆布らしい出汁が取れます。肉厚で柔らかいのですが、煮ることでうま味が出尽くしてしまうため、食用にはオススメできません。生産量も少なく、他の昆布と比べて高級品です。一方、出汁が黄色みを帯びていますので、透き通った吸い物などには向いていません。
料理: 昆布らしさを強調したい吸い物、めんつゆ、汁物、鍋料理 など

商品: 羅臼昆布
(
昆布単体の出汁向き)

合わせだしを取る

合わせだしには、存在感がありつつも強調しすぎない昆布が適しているので、真昆布利尻昆布がオススメです。好みにもよりますが、コクを重視するのであれば真昆布、香りを重視するのであれば利尻昆布でしょうか。

真昆布

上品な甘みとコクがあり、澄んだ出汁が取れます。山出し昆布と呼ばれることもあります。大阪で人気のある昆布です。
料理:汁物や煮物、鍋料理など、全般的な料理で使えます。

利尻昆布

香りが高く、澄んだ出汁で少し塩気があります。京都で人気があり、千枚漬けにも使われています。
料理: 汁物や煮物、湯豆腐など、全般的な料理で使えます。

商品: 真昆布
(合わせ出汁向き)

 

商品: 利尻昆布
(合わせ出汁向き)

出汁にも食用にも使いたい

出汁としても食用としても使いたい場合は、日高昆布がオススメです。両用できるのは便利ですし、羅臼昆布や利尻昆布と比べて低価格なため、はじめて昆布を使う方に向いています。

日高昆布

火が通りやすく、出汁、煮物と幅広く利用できます。一方で、出汁が少し濁りますので、お吸い物などの透明感を求める料理にはあまりおすすめできません。関東や東北地方で人気のある昆布です。
料理: 汁物や煮物、昆布巻など、全般的な料理で使えます。

商品: 日高昆布
(出汁・食兼用)

昆布を食べたい

煮て食べるのであれば、柔らかく、煮てもうま味が逃げ出さない棹前昆布がオススメです。

棹前昆布

昆布漁の解禁を「棹入れ」と言います。その昆布漁の前に収穫した長昆布が棹前昆布(棹入れ前の昆布)と呼ばれます。若いため、柔らかく煮上がりが早く煮くずれしにくいので煮込んで食べる料理に向いています。通常の長昆布は棹前昆布ほど煮上がりが早くありません。
料理: 昆布巻、おでん

昆布水を飲みたい

昆布は健康食品としても優秀なため、昆布水(昆布を水に8時間ほど浸けた水)を日々の生活に取り入れている方もいらっしゃいます。特にがごめ昆布根昆布には栄養素が多く含まれているのでオススメです。

がごめ根昆布

ねばりの強い水溶性食物繊維アルギン酸やフコイダンを多く含んでいますので糖質や脂質、塩分の吸収を抑え体外への排出を促進し、コレステロール値の上昇を抑える効果が期待できます。他にも血圧降下作用、肥満防止、便秘解消、血流がよくなるので脳梗塞や心筋梗塞の予防など、多くの効能が期待できます。

以上をまとめると次のようになります。

出汁用羅臼昆布(単体)、真昆布・利尻昆布(合わせだし)、日高昆布(食用も可)
食用日高昆布(出汁用も可)、棹前昆布
飲用がごめ昆布、根昆布

2.昆布の品質を見極める

さて、用途(出汁、食用、飲用)ごとの昆布の選び方が分かったと思いますので、それぞれの昆布の品質を見極める方法をご説明します。一般的に言われている良い昆布の特徴は次の通りです。

✓ 厚みがあること
✓ 幅・長さがあること
✓ 黒く、色艶があること

しかし、全て同じような色・形をしているので、プロでもない限り、見分けるのはなかなか難しいです。そこで、昆布のパッケージに表示されている天然・養殖・促成栽培の種類と等級で見分けることをオススメします。養殖の3等級以上であれば、普段使いとしては十分ですよ。

昆布の表面が白くなっていることがありますが、マンニットという旨味成分ですので、心配なさらずに。

2.1. 天然・養殖・促成栽培
ほとんどの昆布のパッケージや説明文には天然・養殖・促成栽培などの文字が入っています。一般的に 天然 > 養殖 > 促成栽培 の順番で高価です。出汁用をお求めであれば、出汁がしっかりと出る天然か養殖をオススメします。食用で味付けするのであれば促成栽培でも十分です。

天然文字通り天然の昆布で、生産量も少なく、高級品です。
養殖2年間かけて養殖した昆布です。養殖というと水槽の中を想像してしまうかもしれませんが、良い種が選ばれ、天然と同じように海で育成されます。栄養の多い河口付近などで育成されますので、品質が安定し、十分な出汁が出ます。
促成栽培1年間かけて養殖した昆布です。通常昆布は2年で生育しますが、育ちの早い昆布の種が用いられています。薄いものが多く、天然や養殖と比べると味が劣ります。

※ 天然・養殖などの表記のされていない昆布は、促成栽培の可能性があります。

2.2. 等級
また、多くの昆布のパッケージには1等級、2等級などの等級が表示されています。等級は厚み・幅・長さ・重さ・色艶などから専門家によって総合的に判断されています。
※ 昆布の種類にもよりますが、1等級~5等級の5段階で評価されます。等級が表示されていない昆布は、4等級以下のものが多いです。

Q. 天然の昆布が一番美味しいの?

天然がもっとも高価なため、一番美味しい出汁が取れると思われがちですが、一概にもそうとは言えません。天然は養殖と比べて育成環境が安定していないため、品質の差が大きいです。養殖の昆布と見比べるとわかるのですが、色が均一でないものが多いです。そのため、天然を選ぶのでしたら、ある程度等級の高いものを選びましょう。

Q. 結局どれを選べばいいの?

天然は良い出汁が出ますが、生産量も少なく高価なため、コストパフォーマンスが良いとは言えません。しかし、高いブランド力がありますので、天然は贈答品には最適です。一方、普段使いにはコストパフォーマンスの良い養殖をオススメします。養殖3等級以上であれば十分です。

3.まとめ

昆布の見分け方についていかがでしたでしょうか?お気に入りの昆布が見つかりましたら、次は昆布出汁の取り方を学んでみましょう。

昆布出汁の取り方

昆布には、煮出しで取る方法、水出しで取る方法、そして昆布粉をふりかけるおいだし方法があります。それぞれ特長が異なりますので、料理の目的や生活スタイルに合わせて使い分けてみましょう。
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